Introduction

2020年10月17日(土曜/昼)

柳下美恵サイレント映画の旅

上映作品 『真紅の文字』 The Scarlet Letter
1926年 アメリカ映画(MGM製作)/ヴィクトル・シェストレム監督作品、リリアン・ギッシュ主演/90分/字幕翻訳:永田明徳
柳下美恵(piano) / 協賛:マツダ映画社(DVD及び資料提供)

柳下美恵サイレント映画の旅、第二回は伝説の女優リリアン・ギッシュ主演の文藝作品『真紅の文字』です。
リリアンは映画の父、D・W・グリフィス監督のヒロインとして数多くの映画に出演しましたが、イメージは永遠の少女でした。
グリフィス映画映画を卒業し、自ら題材、監督、相手役を選び、気高い大人の女を演じました。
北欧の鬼才、V・シェストレム監督の手による美しい作品、どうぞお楽しみください。(柳下美恵)

※予約受付を終了いたしました。

演奏家紹介

  • 柳下美恵Mie Yanashita / piano

    柳下美恵Mie Yanashita / piano

    武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。1995年、朝日新聞社主催の映画生誕百年祭『光の生誕!リュミエール』でデビュー。国内海外の映画館、映画祭で伴奏多数、ボローニャ復元映画祭でレギュラー伴奏を行なう。欧米スタイルの音楽伴奏によるサイレント映画伴奏者は日本初。2006年度日本映画ペンクラブ奨励賞受賞。「映画館にピアノを!」を合い言葉に、横浜シネマ・ジャック&ベティでサイレント映画の連続上映「THEピアノ&シネマ」やアップリンク渋谷などで「ピアノdeシネマ」を企画している。

    作品解説
    原作は1850年に書かれたN・ホーソーンの『緋文字』。17世紀初頭、英国の清教徒がアメリカに渡り合衆国の歴史は始まった。戒律に厳格な清教徒はマサチューセッツ州セイラムに町を作り生活を始めた。ホーソーンは初期入植者の6代目の子孫にあたり、2代目は魔女裁判で厳しい判決を下した判事だと言われている。監督はスウェーデンの映画の父と呼ばれるヴィクトル・シェストレム。『生恋死恋』『霊魂の不滅』などスウェーデンで数多くの傑作を生み出し、MGMの創始者ルイス・B・メイヤーに請われ、ハリウッドに招聘された。千の顔を持つ男、ロン・チェイニー主演の『殴られる彼奴』、本作と同じコンビ=リリアン・ギッシュ、ラルス・ハンソン主演の『風』でも独特な映像表現で心の闇を表現している。主演のラルス・ハンソンはスウェーデンの人気俳優でリリアン・ギッシュに請われてハリウッドに渡り、本作のディムズデール牧師を見事に演じた。

    あらすじ
    17世紀半ば、ボストンの戒律の厳しい清教徒の村。へスターはディムズデール牧師と恋に落ちるが、彼女には行方不明になった夫ロジャーがいた。牧師が海外赴任から帰ってくるとへスターは娘を産んで、衣服に姦淫(Adultery)の印“A”を縫い付けられ、晒し者になっていた。罪を告白しようするディムズデール、止めるへスター。そして二度と会わないと誓い、二人は遠くから視線を交わすのであった。しかしある日、行方不明だったロジャーが村に現れ、娘の病気をきっかけに二人の関係を知ってしまう。ロジャーそしてへスターとディムズデール、各人の思惑が交錯する。ついにディムズデール牧師は告白し、人々は二人の崇高な精神世界を見て頭を垂れるのであった。

    作品データ
    『真紅の文字』 The Scarlet Letter
    1926年 MGM
    監督:ヴィクトル・シェストレム
    原作:ナサニエル・ホーソーン 脚色:フランセス・マリオン
    美術:セドリック・ギボンズ、シドニー・ウルマン
    出演:
    リリアン・ギッシュ(ヘスター・プリン)
    ラルス・ハンソン(アーサー・ディムズデール牧師)
    H・B・ウォルソール(ロジャー・プリン)
    カール・デイン(ジャイルズ)
    ウィリアム・T・トゥーカー(知事)
    マルセル・コルデー(情婦ヒビンズ)