Introduction

2020年8月15日(土曜/昼)

柳下美恵サイレント映画の旅

上映作品 『空想の旅』 The Imaginary Voyage
1926年(公開)フランス映画 / ルネ・クレール監督作品 / モノクロ・サイレント / 英語版 63分(20コマ映写) / 字幕翻訳:石野たき子
柳下美恵(piano) / 協賛:喜劇映画研究会

サイレント映画の旅へようこそ。
バラエティに富む演者が魅力あふれる映画の世界にご案内します。初回は柳下美恵のピアノの即興演奏、映画の黒子として伴走します。
映画は、リュミエール兄弟が映像をスクリーンに投影し、巴里で興行したのが始まりといわれています。1895年に誕生して約40年は実演と共にありました。欧米では、スクリーンの前でミュージシャンが奏でる音が、声の役割をしていました。サイレント映画の特徴の一つに中間字幕があります。スクリーンに映る字幕が、セリフや状況説明を表します。
今年はデビュー25周年!生れたてのライブハウスで映画の原点をお楽しみ下さい。(柳下美恵)

※予約受付を終了いたしました。アンコール上映の予定です。

演奏家紹介

  • 柳下美恵Mie Yanashita / piano

    柳下美恵Mie Yanashita / piano

    武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。1995年、朝日新聞社主催の映画生誕百年祭『光の生誕!リュミエール』でデビュー。国内海外の映画館、映画祭で伴奏多数、ボローニャ復元映画祭でレギュラー伴奏を行なう。欧米スタイルの音楽伴奏によるサイレント映画伴奏者は日本初。2006年度日本映画ペンクラブ奨励賞受賞。「映画館にピアノを!」を合い言葉に、横浜シネマ・ジャック&ベティでサイレント映画の連続上映「THEピアノ&シネマ」やアップリンク渋谷などで「ピアノdeシネマ」を企画している。

    作品解説 新野敏也(喜劇映画研究会代表)
    この映画は名匠ルネ・クレールの初期作品で、第四作目となります。前々作の『眠るパリ(Paris qui dort)』で絶大な評価を獲得したのち、満を持して世界公開を目的に作られました。若きクレールが、懇意のシュールレアリスト諸先輩、『カリガリ博士』等のドイツ表現主義、ハリウッドの娯楽映画からエネルギーを吸収して、真心をこめて編纂した《パリの街並みに潜む大人のおとぎ話》です。しかも、ルネ・クレールが再評価されている現在において、なぜか回顧上映でも再公開されず、フランス本国ですらソフト化されていない《幻の作品》なのです。それが今回の壱岐坂Bon Courageサイレント映画企画第一弾として生伴奏付きで上映されるなんて!まさに《大人のおとぎ話》です!
    さあ、柳下美恵さんのピアノの調べに乗って、キッチュで妖しい魔法の国へとしばし旅をしましょう!

    作品データ
    『空想の旅』 Le Voyage imaginaire
    製作年:1925年
    公開:1926年4月30日、フランス
    配給:レ・グラン・スペクタクル・シネマトグラフィーク
    製作:ジョルジュ・ルロー
    監督・脚本:ルネ・クレール
    助監督:クロード・オータン=ララ
    撮影:ジミー・ベリエ、アメデ・モラン
    美術:ロベール・ジス
    出演:
    ドリー・ダヴィス(ルーシー)
    ジャン・ボルラン(ジャン)
    モーリス・シュッツ(占いの老女ローザ・コーレックス)
    アルベール・プレジャン(アルベール)
    ジム・ジェラール(オーギュスト)
    ポール・オリヴィエ(銀行の頭取)
    イヴォンヌ・ルジェ(悪い妖精シルヴェーヌ)
    マルグリット・マディ(良い妖精)